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【ライティング】スポーツ新聞風で文章に臨場感を -後編- メインを引き立てる各種スパイス 

各種スパイスでスポーツ新聞風のフルコースに

後編となる今回は「スポーツ新聞」らしく仕上げるための文章要素と紙面構成要素(レイアウト)がテーマになります。
かなり長くなりますので、
-前編- メインを彩る必須スパイス
-後編- メインを引き立てる各種スパイス ← 今ココ。
前編と後編で作成した記事を合わせた「完成紙面イメージ編」、の3部構成で展開します。
小学生のお子さんがいる親御さんや新聞部や新聞作成に興味のある学生さん、そして企業広報や公式SNS情報発信ご担当者の方などをメインターゲットのペルソナに設定しています。
お子さんの作文や学級新聞作成時に、親御さんご自身によるお子さんの運動会や修学旅行など各種イベントの記事作成に、そして企業広報誌等を変化球のスポーツ新聞調で挑戦時に、ライティングスキルとジャンルのLvアップ材料になれば幸いです。
スポーツライター志望の方もぜひ最後までお付き合いください。1文字単価を上げるコツと、企画となる紙面構成の面でもお役に立てると思いますので。


文章要素=5W1H(Whenいつ・Whereどこで・Who誰が・What何を・Whyなぜ・Howどのように)スポーツ新聞に限らず、読者により正確に情報を届ける記事には重要な要素となります。

紙面構成要素=見出し、リード文、本文、略歴、関連記事(雑感)、一問一答、とっておきメモ、各種データ、そして写真など多角的な要素を添えることで、メインディッシュとなる記事本文をより美味しく演出できます。

スポーツ新聞風で文章に臨場感を -前編- メインを彩る必須スパイスでは「見出し」「リード文」「記事本文」のライティングナレッジを紹介しました。後編では、様々な角度からメインを引き立てる「略歴」「関連記事」「一問一答」「とっておきメモ」「各種データ」作成ナレッジを紹介します。
そして「写真」などビジュアルも添えると、品数限定のコースが、贅沢なフルコースへと一気にグレードアップします。前編での構成要素は必須ですが、後編の構成要素は出来る範囲でOKですので、ぜひお試しください。

メインディッシュを引き立てる各種スパイス -後編で展開-

前編で紹介した必須要素

まずはおさらいから。前編では「見出し」「リード文」「本文」の簡易的な作成レシピを紹介しました。詳細は第4話【中級編】スポーツ新聞風で文章に臨場感を -前編- メインを彩る必須スパイスをご確認ください。
「見出し」「リード文」「本文」が揃えば、スポーツ新聞風のコースメニューとして成立しますので、少なくとも必須要素は頑張りたいところです。

見出し

リード文

本文

後編で紹介するメインを引き立てる各種スパイス

後編ではコースメニューをフルコースに格上げする各種「添え物」を紹介します。それぞれ文字数はそれほど多くありませんが、慣れるまでは時間がかかりますので、興味のある「添え物」からチャレンジするとライティングスキル&ジャンルのLvアップがはかどります。
では、前編に続き、1行11字組み想定で後編で紹介するメインを引き立てる各種スパイスの実践に。

略歴

メイン記事の主役や活躍した選手など人物プロフィール。詳細を「略歴」として本文と別に添えることで、本文自体がスマートに読みやすくなり、また人物のバックボーンを知ることで記事の重みも増します。
特に高校野球などのアマチュアスポーツでは、一般的に知られていない選手も多いですので、略歴掲載でどのような人物かを紹介します。「略歴」に興味を持ち、記事本文を読む方もいるぐらい、重要なスパイスです。紙面スペース次第ですが、10~15行(110~165文字)前後が一般的です。

関連記事

「監督モノ」「主役モノ」「チームモノ」など、メイン記事を多角的に彩る関連記事になります。基本的には監督モノなら活躍した選手で、主役モノなら監督や他選手で、チームモノなら記事テーマに関連する人物などで作成すると効果的です。また、試合を観戦していた選手のご家族やかつての恩師などの関連記事も味わい深くなります。
1行11字組みの新聞では、10~15行(110~165文字)ほどでしょうか。「雑感」と呼ばれることもあり、紙面構成上「雑感記事」が5本以上と多い時は、比例するように取材対象者も多くなりがちです。文字数のわりに下準備に時間がかかりますが、労力の分だけメインディッシュ本文の魅力大幅upに貢献します。

一問一答

「監督モノ」「ヒーローモノ」ともに、主役の一問一答でもOKですし、記事との関連性が高い重要人物の一問一答でも良いでしょう。例)チームオーナー、かつての恩師etc。
記事本文中の「コメント」で紹介しきれない場合や、メイン記事内ではテイストが適さない場合に有効です。もちろん、偉業達成時のメモリアルインタビューを主役の一問一答形式で掲載することも読者ニーズは高いでしょう。当時の様子が記録として残りますので、年月とともに価値は高まります。
ケースバイケースですが、一問一答の行数は20~50で、質問と答えの数は5~8ぐらいでしょうか。質問を省いたコメント全文形式もあります。

とっておきメモ

優勝や個人タイトル獲得、あるいは最多勝更新や新人最多ゴール更新など、新記録や偉業達成時に効果的な添え物です。担当記者による「とっておきメモ」の読み応えは、取材力に比例しますので腕の見せ所でもあります。
お子さんの運動会や各種イベント記事作成時には、親御さん目線で「とっておきメモ」を作成すると主役の苦労や努力が客観的に伝わり効果倍増です。

各種データ

順位表、勝率、得点ランキング、過去比較、シーズンごとのチーム&個人成績、その他、メイン記事テーマに関連する各種データになります。図解や表、グラフなど各種データで読者に興味とテーマの重要性を持たせ、かつビジュアル効果も高い添え物です。
紙面全体に格式と見映え両面でアクセントを加える欠かせないスパイスです。数字が多くなりますので、間違えないように細心の注意を払いましょう…。

【ライター業界あるある 9】

「添え物」は備えあれば憂いなし

上記で紹介した主な添え物のうち、「略歴」「とっておきメモ」「各種データ」は試合当日までには作成しておきたいところです。

特に添え物が必要なケースは、前述したように「優勝決定戦」「新記録達成」など、必然的に記事のボリューム(行数)が増えます

試合後はリード文、記事本文、関連記事、一問一答など仕上げるべき原稿が多々ありますので、試合結果にあまり影響されない「略歴」「とっておきメモ」「各種データ」は時間がある時に仕上げておくと心身ともにラクになれます。

写真

前編でも書いたように、スポーツ新聞に限らず「写真」は重要度の高いビジュアル要素ですので、「引き立てる」というよりも「相乗効果」のニュアンスが適しています。今回は「文章要素と文章構成」がテーマですので、添え物扱いとなっていますが、「一枚の写真」が全てを物語るほど、ニュースバリューとしての意義や価値は高いです。今回は残念ながら該当写真がありません…。良い感じのフリー素材等を仕入れ次第、反映するかもしれません。

添え物のスパイスを実践してみると…

「競技はサッカーで架空のリーグとチームを舞台に、ある外国人選手で展開」の第4話の続きになりますので、第4話で実践した「見出し」「リード文」「本文」を読んでいない方は「なんのこっちゃ…」となりますので、ぜひご確認ください。
登場人物やチーム、所属など全て架空の設定ですので、ご了承ください。では、「添え物」の実践に。

※後編の文字数も改行時の空白等を無視したワードによる実数になります。

略歴(15行165文字以内想定)

◆Labo Curi(ラボ・クーリ)1990年(平成11)6月1日、伊ウンブリア州ペルージャ生まれ。地元Peruginoの下部組織で頭角を現し、05-06季に15歳でトップ昇格し、順調にキャリアを築く。15-16季開幕前に名門Forteに移籍。得点王3回、13年連続二けた得点を記録。伊代表42試合21得点の大型FW。推定年俸8億円。趣味はダーツ。家族構成は妻Bellaと愛息Bravo君。187㌢、77㌔。左利き。(165文字)

関連記事(15行165文字以内想定)

 クーリの妻Bellaさん(28)も感涙…。愛息Bravo君(4)と関係者席でクーリの芸術弾を見届けたBellaさんは「本当につらかったと思います。言葉も食事も異なる環境で、連携が重要なサッカー選手として結果が出ない日々が続き…」と涙を浮かべた。続けて「このゴールを機に、彼本来の実力を発揮して、サポーターの皆様の想いに応えてほしい」と更なる活躍を願った。(164文字)

一問一答(45行495文字想定)

クリカフェ大阪KJ監督に聞く


-大型補強のクーリが7戦目で初ゴールが決勝点に。
KJ監督 正直ここまでかかるとは思わなかったが、異文化に慣れることは誰にとっても容易ではない。

-ゴールの瞬間、ベンチから飛び出していたが。
KJ監督 嬉し過ぎて体が勝手に反応した。終了間際にクーリがチームの今季初勝利をもたらしてくれたからね。

-スコアレスのままアディショナルタイムに突入した。
KJ監督 相手は好調の難波ショット。ホーム戦とはいえ、先制点だけは与えないように慎重に挑んだ。

-GKの頭上を抜く鮮やかなループシュートだった。
KJ監督 ドリブル独走からスピードに乗ったままループを決めるとは…。誰がGKでも止められない現役伊代表ならではのワールドクラス弾だろう。

-これで最下位脱出の16位浮上。
KJ監督 遅ればせながらクーリの初得点、チームの今季初勝利を飾った一戦。今季終了後にこの勝利が上位躍進のきっかけとなったと思えるように、次節に向けて準備する。

-最後にサポーターに向けて。
KJ監督 ここまで6戦未勝利でサポーターの皆様にも不満を募らせてしまった。ただ、トンネル脱出の兆しは見えた。ここから挽回します。応援、宜しくお願いします。(492文字)

とっておきメモ(30行330文字以内想定)

 この日の芸術ループ弾は、クーリ、そして妻Bellaさんの日本アート愛から生まれた。クーリとBellaさんの出会いは2015年夏、経済都市ミラノで開催されたArte Giapponese(日本芸術展)だった。キャンバスに余白を残す文化のないイタリア芸術に慣れ親しんだ二人に、余白を繊細に生かす日本の芸術様式、余韻あるいはワビサビと呼ぶべき伝統美が心に響いた。オフに芸術展を訪問したクーリを接客したのがBellaさんだった。国民的ヒーローへと歩むクーリを、当時のBellaさんが知らなかったことも幸いしたのか、お互い“素の部分”で共感した。知り合って3か月で入籍し、長男Bravo君も誕生。日本文化を愛妻と愛息にも-。その想いを胸に、異文化に挑戦したクーリ。日本初弾となる決勝ループシュートも、クーリの芸術美が描いたものだろう。(クリカフェ大阪担当 taka)(327文字)

各種データ

各種データの実践はエクセル作成のスクショで展開します。レスポンシブ対応によるスマホでの見え方を考慮すると、画像展開が最も効果的かと思われますので…。オフィスの隅っこでセコセコ作成。
各種データは時系列から円グラフや棒グラフ、レーダーチャートなど、様々な見せ方があります。記事テーマに最適なデータを、読者に分かりやすく作成したいところです。

各種データ例:所属や数字などは全て架空のものです。

まとめ

いかがでしたか。原稿は行数(文字数)に関係なく、書くべき原稿の数が増えるとかなりシンドクなります。もちろん記者やライターによりけりですが…。
例えば、行数70行を1本作成と、行数15行を4本作成の計60行なら、後者の方が行数は少ないですが取材対象者も確認事項も増えますので時間と神経を摩耗します。ただ、翌日の紙面を確認すると、それぞれの「添え物」がメインディッシュを引き立てていることを実感できますので、達成感はあるので報われますが…。

「NEWS」の語源由来に「North」「East」「West」「South」の各方角の頭文字から-との説もあります。「ある事象を正確に伝える」ためには、様々な角度から物事を捉えることが真実に迫るための要素、とのことです。こじつけ感ある一説ですが、あながち間違いとは言い切れません。
第5話の「添え物」は、文字通りNEWSを具現化した多角的見地によるメインディッシュの記事本文を引き立てるスパイスになります。メインテーマを様々な角度から味付けすることで、記事の重みをはじめ整合性や品格など紙面全体のLvアップにつながります。

さて、最終回はスポーツ新聞風で文章に臨場感を、の前編と後編で実践した記事を「紙面完成イメージ」として展開します。また、それぞれの「ちょっとしたコツ」なども紹介予定ですので、3部構成最後まで読んでいただけると幸いです。

-完成紙面イメージ編- へ続く>>

にも

この記事を書いたのは

にもマーケチーム

さかなじゃないです。マーケ担当です。浅い知識を深めるため日々奮闘中。
おいしいご飯を食べる時とふかふかの布団で寝る時が人生の幸せ。